ポルトガルへ出発前日、母とお寿司やラーメンを食べて日本食の食べ収めをした。夜遅くまでバタバタいていたが、朝4時に空港行きのタクシーを予約していたので、少しでも寝ようと深夜2時には布団に入った。これでしばらく自分の布団で寝ることがないのかと思うと切なかった。出発までの数日は、普段の生活全てが貴重に思えた。朝3時半起床。身支度をしてゆっくりする時間もなく、家を出た。空港までは、母と妹が同行してくれた。タクシーはワゴンタイプでゆったりとして、楽しい会話で盛り上がった。あっという間に羽田国際空港に到着。朝早いにも関わらず、空港の中には沢山の人がいた。早速、イギリス行きのブリティッシュ航空のラインに並ぶ。妹がラインに並んでいる姿を写真に収めていると、後ろに並んでいた金髪の外人が「写真撮りましょうか?」と英語で声をかけてきた。なんていい人なんだと思い、素直にお願いした。その後も妹がアイフォンを操作していると、彼は妹に色々と話しかけてきた。彼はドイツ人で、日本に短期観光に来たらしい。ブリティッシュ航空の無料で預けられる荷物は23キロ。私のスーツケースは32キロもあった。母と一緒に予備のカバンに荷物を移し、どうにか荷物を24キロまで減らした。それでもオーバーだが、どうにか通してもらった。よかった~^0^機内への荷物は、何キロでも持っていけるらしく、私の手荷物は20キロ弱にもなった。リスボンまで乗り換え2回。その度にこの荷物を持って移動するのかと思うと気が重かった。出発までの数十分、展望デッキで記念撮影、カフェでお茶を飲んで過ごした。いよいよゲートへ向かう時間が来た時、突然悲しさがどっと押し寄せてきた。一生日本に帰ってこられないわけではないが、奨学生という看板を背負っている以上、簡単には帰ってこれないというプレッシャーがある。母と妹にお別れを告げ、ゲートへ入る。荷物検査をしている間、母はずっと手を振っていてくれた。私もそれに答える。なかなかその場から動かない私を見て、母と妹は去って行った。もう二人はそこにいないとわかっていたが、その場から離れることができなかった。もしかしたら、また戻ってくるかも・・・諦めて売店でお茶を買っていると、ブリティシュの最終搭乗案内が聞こえてきた。ヤバい!と思い早歩きで搭乗ゲートへ、なんとか間に合ったが、すごく焦った(笑)
自分の席に着くと、隣の綺麗な外人女性が携帯を操作しながらシクシク泣いていた。それを見て自分も悲しくなったが、飛行機に乗っているという嬉しさもあって複雑な気持ちだった。
二人は展望デッキで私をみているのかなあと思いながら、私の乗っている飛行機は6時45分、日本を離陸した。さらば日本、また来年!?
しばらくして、妹から貰った手紙を読んだ。感動しておもわず泣けた。もっとがんばらなくちゃいけないと強く思った。そして、眠かったが映画を見ることにした。すると驚くことに、チャンネルを合わせると映画がもう始まっている、普通ならチャンネルを合わせてから映画が始まる。しかしこの航空会社の映画は流れっぱなし、ひとつが終わるまで待つか、途中から観るしかない。無茶苦茶だ!と思いながらもアニメを観た。最初さらブリティシュ航空の食事に期待していながったが、案の定ひどかった。おいしくないし、お腹いっぱいにならない。最悪だ!しかも軽食のマフィンは、口に入れた瞬間、口の中の水分を全て奪う。それでもお腹がすいていたので、水をたくさん飲みなが食べた。
12時間後イギリスに到着。荷物を持って列に並んでいると、後ろからあのドイツ人が声をかけてきた。会話をしているうちに、彼は、次のフライトまで充分に時間があるので、私の見送りをしてくれると言ってきた。正直、一人で空港を観光したかったが、断れなかった。マドリッド行きの搭乗ゲートまではバスで移動。
機内には、100ml以下のリキドしか持ち込みできないらしく、羽田で買った緑茶を飲み、量を減らした。それを見たドイツ人は、“FUNNY GIRL”と言って笑っていた。どうしてもこのお茶をリスボンまで持って行きたかった。ドイツ人は、私がゲートで荷物がひっかかるのをおもしろいから見てから行くと。そんなことないよと言いながらわたしは列に並ぶ。いよいよ自分の順番がきてカバンが次々に機械へと入っていく、ひとつ、ふたつと自分のところに戻って来た時、よかった、大丈夫だったと思ったが、緑茶を入れたリュックが戻ってこない!遠くをみるとピンクのリュックが列からはじかれていた。係員に声をかけたが、順番を待つようにと指示を受けた。自分のかばんを持ったタトゥーをした男が、カバンを開けるようにと指示。案の定、緑茶と機内で飲みかけのワインボトルを没収された。しかしワインは規定の100mlないと主張、するとボトルが機内に持ち込めないと言われた。おかしな話だと思った。機内で出されたものが、次の飛行機に持っていけない。どういうこと?
どうしても緑茶を持って行きたかった私は、今ここで飲むからと言った。すると男はここでは飲めない。飲むなら外で飲め、と。私はじゃあ一回外へでると言い、私の飲み物を返してほしいとお願いをした。すると男は無視。あきらめずに声をかけてやっと探してもらえたが、もうゴミ箱に捨ててしまったと・・・一回捨てたら取りだせないらしく、「SORRY」と言われた。くやしかった。だが、この男から謝罪の声が聞けたので、まあよかった。ゲートの外を見るとあのドイツ人が笑ってこっちを見ていた。ゲートに入るために並んでから、“ SORRY”を聞くまで、およそ30分かかったにも関わらず、彼はずっと待っていてくれた。
イギリスからマドリッドまでのフライトは2時間。あっという間に着いた。
憧れのスペイン!空港だけとはいえ、嬉しかった。リスボン行きの飛行機に乗るまで、1時間以上あったので、インターネットをしたり、空港内を散歩したり、マックでご飯を食べて過ごした。
マドリッドのマクドセット8€・・・高い!
リスボンに着いたのは10月2日の夜8時。空はすでに暗かった。
まだ大学の寮が用意できていないので、リスボンのゲストハウスに泊まることにしていた。ゲストハウスまではバス。安くすませるためにバスに乗ったはいいが、こちらのバスはアナウンスが一切ないために、自分で降りたい場所の近くに来たらボタンを押す方式。初めての私はもちろんわからない。運転手に行き先を告げ、親切な運転手が手伝ってくれたおかげで無事目的地に到着した。
バスを降りるとなんと、道路が石、石、スーツケースのコロコロが役に立たなかった。そんなんで、総量40キロの荷物を運ぶのはとても大変だった。おまけにゲストハウスまでの道のりは、急な坂道と階段。全てを持ち上げて登っている時に、このゲストハウスを選んだ自分を恨んだ。日本感覚で、少しづつ運んでいたら、「置いておいた荷物を盗まれるかもしれない」という不安から全てを一気に運んだ。
やっとの思いでゲストハウスに到着。そこは想像以上に雰囲気がよく、たくさんの人もいて、とてもよかった。
この坂を上って→ この階段を上がり→ ゲストハウスの階段を上げれば到着
日本から持って来たカップラーメンとビールで夕飯をすませ、夜1時、10人部屋のドミトリーで就寝。とても充実した長い1日だった。
お勧めのリスボンゲストハウス
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